太陽光発電パネルの施工法やトラブルなどを書いています。
雨漏り修理業者である私の体験をもとに記事にしてみました。
パネルを載せる上で屋根への疑問や不安がある方の参考になれば嬉しいです。
どんな施工法があるの?
太陽光パネルの設置には様々な工法がありますが、今回は穴を開ける工法と開けない工法に焦点を当てて、メリット・デメリットを紹介します。
屋根に穴を開ける工法
⭕️メリット 屋根の下の木にしっかり固定できるのでパネルが風に強い。
❌デメリット 雨漏りが心配。
屋根に穴を開けない工法
⭕️メリット 屋根に穴が開かないので雨漏りしにくい。
❌デメリット パネルが風に弱いことがある。屋根材によっては非対応。
それぞれの工法に対応する屋根材も違います。
工法や組み合わせは多数ありますが、私が実体験としてお伝えできるものは次のとおり。
✅穴を開ける主な工法と対応する屋根材は、
◉アンカー工法 →コロニアル(平べったいスレート瓦)、アスファルトシングル、陶器瓦、板金屋根(ガルバリウム鋼板など)
✅穴を開けない主な工法と対応する屋根材は、
◉支持瓦工法、支持金具工法 →陶器瓦
◉キャッチ工法 →板金屋根(ガルバリウム鋼板など)
これ以外にも、最近では様々な工法をメーカーが開発してるみたいです。
例えば、
◉シンプル・レイ工法
屋根に穴を開けず、どの屋根材でもパネルを載せる事ができる工法です。
⭕️メリット:あらゆる屋根材に対応。屋根に穴を開けないので、雨漏りのリスクが限りなく低い。
❌デメリット:設置費用が高い。
パネル架台は屋根の端っこ(軒先)で固定します。屋根面に固定しないので、屋根材問わず載せる事ができるのは魅力ですね。
理屈上雨漏りもしないし、メンテナンスもしやすそうな気がします。
気になる点は、パネルを固定するフレームが屋根にがっつり載ってるので、見た目がスマートじゃないのと、よほどしっかりした施工をしないと台風が来た時に煽られそう、、と思いました。
雨漏り体験談
ある太陽光発電パネルを載せたお宅の話です。
屋根に穴を開けてパネルを固定しており、固定金具から雨が浸水して雨漏りしていました。
屋根材に穴を開けた際に水が入らないようにシーリング(防水剤)するのですが、シーリングの量が不十分だったようです。
一度パネルを外してシーリング修理することになりました。
実際、年月が経てばシーリングの劣化で雨水が入ってしまう事もあります。
穴開け工法は屋根下の木に直接固定できるので強風に強くなる利点があるんですけど、雨漏りしては元も子もありません。
せっかく売電による収益を見込んで載せた太陽光パネル.。
これが原因で、予定外の雨漏り修理費がかかるとショックですよね😢
特に穴を開ける工法の場合は、雨漏りリスクが高いので注意深くしっかりした専門業者にお願いしましょう。
屋根修理ができない?!→高額費用が発生
古い瓦にパネルを設置しているお宅でのケースです。
パネルの下の瓦がなんらかの原因で割れてしまい、雨漏りしていました。
もちろん、パネルを取り外さないと修理できません。
本来であれば、瓦一枚交換すれば安価で済む工事ですが、パネル取り外しの追加費用がかかります。
瓦の全交換となると、パネル全数取り外し→再設置の高額な追加費用が発生するケースも珍しくありません。(※先日の工事では、再設置費用だけで50万円でした😱💦)
悪質な設置業者だと、そういったリスクを隠して?もしくは知らずに?太陽光発電を売り込んできます。
メンテナンス上のリスク観点から、割れやすい古い瓦の上に太陽光パネルを設置するのはおすすめしません。
ハトが住み着くことも
ある家主さんのお宅では、太陽光パネルと屋根の間に鳩が入り込み、巣を作っていました。
鳩の羽、糞、巣材などは太陽光発電の故障原因となったり、糞でパネルが汚れて発電効率が下がることもあります。
対策として、鳩が巣にいない時間帯を狙って防鳥ネットでガード!物理的にパネル内に侵入できないようにしました。
鳩は一度巣を作ると、撤去してもなかなか諦めてくれません。
しばらくの期間、パネルの周りをウロウロ。
鳩の鳴き声も家主さんにとってストレスで、空耳として残ると嘆かれています😵
まとめ
✅屋根材によって穴をあけるか、あけないか、メリット・デメリットや設置方法も異なる。穴あけ工法は、いずれ劣化するシーリング(防水剤)のみで雨漏りを防いでいるケースがあるので注意。→耐風強度や雨漏りリスクを考慮する
✅太陽光発電パネルを載せる前に、長期間耐える屋根材かどうかチェックする。→パネルを載せたあとでは屋根修理費が大きくなりがち
✅鳩など野生動物が棲みつく事がある。糞害などに注意。防鳥ネットなどで対策する。→一度住み着くと追い出すまでがかなり大変
太陽光発電を導入中またはこれから導入しようという方へ、個人的な主観でお伝えさせていただきました。
このリスクを踏まえた上で、導入費用、売電益、ランニングコスト(パワコン交換費・最終的な処分費など)を総合的に見た方がいいです。
そして、収支のバランスがプラスかどうかが大切だと思います。
導入中の方にとってはあまり見たくない内容だったかもしれませんが、事例として知っておくことで、今後の何かしらの対策になれば幸いです。
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