最近、私たちが屋根の漆喰工事をさせていただいたお客さんから「屋根に穴が開いてるんですけど、見に来てください」との連絡がありました。
工事からそんなに時間が経っていなかったので、「まさか剥がれ落ちることはないだろう」と心配しながらも、さっそく現場へ。
現場に着くと、お客さんが指差して教えてくれた「穴」の場所がありました。
そこは、棟瓦の下の部分で、確かにポッカリと空いています。
奥様はこの「穴」を発見し、「これで大丈夫なのか?」と心配で連絡してくださったんですね。
さて、この「穴」についてですが、実はこれ、穴ではなく「トンネル」なんです!
しかも、屋根の構造の中で非常に重要な役割を担っているんですよ。
屋根のトンネルとは?
まずは、屋根の構造について、ちょっとだけお話ししましょう。
屋根の役目は、雨水をしっかりと外に流して家を浸水や風から守ること。
雨水は屋根の上から下へと流れていくわけですが、棟瓦(屋根の頂上部分にある瓦)は雨水を一時的に堰き止めることがあります。
そのため、雨水が流れるルートを作っておく必要があるんです。
この「トンネル」は、そのためにあえて作られているのです。
屋根にこのトンネルがあることで、雨水がスムーズに軒先(屋根の端)へと流れるようになります。
もし、このトンネルがなかったら、雨水が棟瓦によって堰き止められてしまい、最終的には屋根の内部に入ってしまうんですね。
屋根の工夫が大切な理由
さて、このトンネルがどうしてこんなに重要かというと、屋根の内部に雨水が入るとさまざまなリスクがあるからです。
雨水が屋根の内部に入ってしまうと、屋根の中の木材を腐らせたり、最悪の場合、雨漏りを引き起こすことがあります。
このため、雨水を効率的に流すための工夫がされているんです。
実は、私たちが普段目にする屋根には多くの知恵と工夫が詰まっているんですよ。
屋根がしっかりと機能するためには、こういった小さな工夫が欠かせません。
トンネルがあることで得られるメリット
このトンネルがあることで、以下のようなメリットが得られます。
✅雨水の排水がスムーズ:雨水がスムーズに軒先へ流れることで、屋根に溜まることがなくなります。
✅雨漏りの防止:雨水が適切に流れることで、屋根内部に水が入るリスクが減少し、雨漏りを防ぐことができます。
✅屋根の寿命が延びる:適切な排水がされることで、瓦や漆喰に余計な負担がかからず、結果的に屋根の寿命が延びます。
まとめ
屋根は意外と注目して見る機会は少なくて、今回の様に見慣れない部分を見つけたら、不具合かも!?と不安に感じることもありますよね。
でも、このような工夫がされているおかげで、屋根がしっかりと機能し、私たちの家を守ってくれているんです。
屋根の工事や修理を行う際には、こういった細かな部分にも目を配りながら作業を進めることが大切ですし、家主さんにもその重要性を理解してもらうことが大事です。
もしも屋根のことで心配なことがあれば、ぜひ気軽に相談してくださいね!
それでは、今日のお話が少しでも役に立つといいなと思っています。
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