- 「どの業者も原因不明」の雨漏りも、消去法で特定できる
- 犯人は雨押さえ板金の内部に隠れた施工時のビス穴
- コーキングを重ねるほど調査は難しくなる。まず原因特定を
「長年雨漏りしていて、いろんな業者に見てもらったが、どこも原因が分からなかった」——そんなご相談をいただいた、工場の折半(せっぱん)屋根の調査記録です。
雨漏り修理職人のハレタです。正直に言うと、この手の案件は雨漏り調査の中でも最高難度の部類です。今回は、プロがどうやって「誰にも分からなかった原因」を追い詰めていくか、その過程をお見せします。


物件と症状のデータ
| 建物 | 工場(折半屋根・九州地方) |
|---|---|
| 症状 | 長期間続く雨漏り。複数の業者が調査するも原因不明 |
| 調査方法 | 目視調査+外壁を剥がしての確認+雨押さえ板金の分解調査 |
| 推定原因 | 雨押さえ板金の内部にあった、施工当初のビス打ちミスの穴 |
| 処置 | ルーフィングで応急養生。雨で検証後、雨押さえ板金のカバー工事を実施予定 |
なぜ「原因不明の雨漏り」になるのか

現場に上がってまず目についたのは、過去の業者さんたちが処置してきた古いコーキングの数々でした。
これは長期間の雨漏り現場の典型です。原因が特定できないまま「怪しい場所」を片っ端からコーキングで塞いでいくと、屋根はコーキングだらけになります。それでも止まらないから、私のところに相談が来る。そしてコーキングの跡が増えるほど、調査はさらに難しくなります。応急処置の記事で「むやみにコーキングで塞ぐな」とお伝えしているのは、こういう現場を見てきたからです。

コーキングの山を見た時点で、長期戦を覚悟しました。原因特定を飛ばした工事は、お金も屋根も傷めるだけです。
消去法で追い詰める
手順①:古いコーキングを疑う
まず、既存のコーキングが劣化していないか、打ち漏れ(塞ぎ残し)がないかを一つずつ確認。ここに異常があれば話は早いのですが、今回は決定打なし。
手順②:壁からの漏水を疑う

次に疑うのは外壁です。折半屋根と外壁の取り合い部は雨漏りの定番ポイント。実際に壁材を剥がして内部を確認しました。しかし、ここにも漏水の痕跡はなし。
手順③:雨押さえ板金をめくる
残る容疑者は、屋根と壁の境目を守る「雨押さえ板金」。めくってみると——内部に、施工当初のビス打ちミスによる穴を発見しました。新築時の施工で開けられ、そのまま塞がれずに板金の中に隠れていた穴です。ここから雨水が入り込んでいたと推測されます。
(肝心の穴の写真は、雨が降り出しそうな中の作業でバタバタしており、撮り損ねました…。職人も人間です)
板金の「中」に隠れた穴は、表からいくら眺めても見えません。どの業者さんも分からなかったのは、ある意味当然でした。
応急処置と、今後の検証

この日は該当箇所をルーフィング(透湿防水シート)で養生して完了。すぐに本工事をしないのには理由があります。「この穴が本当の原因か」を、次の雨で検証するためです。養生した状態で雨漏りが止まれば、原因確定。そこで初めて、雨押さえ板金のカバー工事という本工事に進みます。
原因を確かめずに工事をすれば、直らなかったときにお客様のお金が無駄になります。過去の業者さんのコーキングの山は、その積み重ねでもあるのです。
原因不明の雨漏りでお困りの方へ
原因の特定は業者によって差が出ます。無料の一括見積もりで、複数の専門業者に相談してみてください。
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職人からのアドバイス
- 「原因不明」と言われた雨漏りも、諦める必要はありません。消去法で一つずつ潰していけば、必ず答えに辿り着きます
- コーキングを重ねても止まらない雨漏りは、コーキングでは届かない場所(板金の内部など)に原因がある可能性が高いです
- 工場・倉庫の折半屋根は一般住宅と構造が異なります。折半屋根の調査経験がある業者に相談してください
※長引く雨漏りでお困りの方へ:原因特定こそが雨漏り修理のすべてです。「とりあえず塞ぐ」を繰り返す前に、調査を重視する業者に相談することをお勧めします。


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